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エステル、イラン、終わりの時

Writer: Asher IntraterAsher Intrater

ティクーン・グローバル

イスラエル、エルサレム



I. 歴史的真実

 

エステル記は3つのレベルで読むことができます。第1レベルは、歴史的真実です。実際にあった出来事であり、イェシュア(イエス)の時代の約500年前に起こったことです。

 

エステル記は聖書の中で唯一、神の名が直接言及されていない書物です。しかし、神の主権については、おそらく聖書全体の他のどの巻よりも、明確に表されています。

 

例えば、ハマンがモルデカイを殺そうと計画した同じ夜、アハシュエロス王は眠れず、たまたまモルデカイが自分の命を救ったことが書かれた物を読みました。王がモルデカイを称えることに決めたとき、ハマンはたまたま宮廷にいました。 例え神さまが働いてるのが見えないときでも、状況が否定的に見えるときであつても、神がすべてを支配しておられます。

 

モルデカイはキシュの子、つまりサウル王の子孫です(エステル2:5)。ハマンはアガグ人であり(エステル3:1)、アガグ王の子孫であった可能性があります。この時代より500年ほど前、神さまは、アガグを処刑しなかったサウルを罰しました。その罰は厳しすぎるように思われました。ハマンの大量殺人の計画を見て初めて、神さまが、サウルにアガグを処刑するように言ったことが正しかったことが理解できます。私たちは、神さまの見ておられる領域全てが見えている訳ではないので、時に神の裁きが何かとても厳しいものに見えます。神の裁きは、たとえ私たちがその理由を理解できなくても、正しいのです。

 

神の主権には驚くべき恵みも含まれています。サウルがアガグに失敗した一方で、モルデカイはハマンに成功しました。神さまは2度目のチャンスを与えられたのです。私たちに信仰(と忍耐)がある限り、たとえ思った以上の時間がかかったとしても、神はすべてのことを私たちの益のために働かせてくださいます。

 

II. 福音の予兆

 

エステル記の第2レベルは、福音の予兆です。 ハマンはサタンのイメージで、モルデカイはイェシュアのイメージです。 聖書によれば、十字架刑は天地創造の前から計画されていました(黙示録13:8、Ⅰペテロ1:20)。従って、律法と預言書のすべての出来事は、十字架刑を予期して神が周到に備えられたものです(ルカ24:26-27、使徒2:30-31、Ⅰペテロ1:10-11)。

 

旧約聖書には "十字架 "という言葉はありません。 そのため、使徒たちはヘブライ語で十字架を「エツ」と呼ぶことがありました(使徒5:30、10:39、13:29)。 「エツ」とは、木、木材、木製の建造物という意味です。エステル記では、「エツ」は処刑場として、7つの箇所に登場し(エステル記2:23、5:14、6:4、7:9、8:7、9:13、9:25)、「gallows/絞首台」と訳されています。

 

悪党はこの木製構造物に吊るされて処刑されました。正義のヒーローもそこで吊るされそうになりました。そして、同じ木製構造物が突然、すべてを敗北感から勝利に変えました。モリヤのイサクのように、穴の中のヨセフのように、魚の中のヨナのように、モルデカイは殺されかけ、そして奇跡的に救われました。そして、モルデカイは王国の第二位に任命され、その玉座は他のすべての玉座の上に置かれます。

 

III. 終末預言

 

第3のレベルでは、エステル記は終末について預言している。ハマンは反キリスト、エステルは執り成す教会、モルデカイはメシアニック・ジュー運動を象徴しています。

 

歴史的な出来事は、古代ペルシャ(現代のイランに相当)で起こりました。現代のアリ・ハメネイのように、ユダヤ人滅亡を呼びかける悪人がいました。 国連を思わせる127カ国の連合体がありました。

 

聖書のヘブライ語で「反キリスト」に最も近い言葉は「ツォレル」です。ハマンは4回「ツォレル」と呼ばれています(エステル記3:10、8:1、9:10、9:24)。ハマンと同じように、反キリストはユダヤ人(とクリスチャン)を殺し、国々を団結させてイスラエルを攻撃しようとします(黙示録13章、エゼキエル38-39章、ゼカリヤ12-14章)。

 

反ユダヤ主義の根源は、エステル記3章6節に見られます。そこでは、悪魔のような人物がメシアの姿に腹を立て、メシアを殺すだけでは満足せず、メシアの親族全員にも復讐しようとします。反ユダヤ、反キリスト、反キリスト教の霊は、同じような源から来ているのです。

 

IV. 執り成す花嫁


エステルは、今日の「キリストの花嫁」の美しいモデルです(エペソ5:23-32、黙示録12章)。彼女は王との礼拝という花嫁のような親密さを楽しんでいます。 彼女はユダヤ人のルーツを持っていますが、誰も知りません。彼女はそれを避けようとしますが、ユダヤ人に関係する恐ろしい苦難に巻き込まれます。彼女は、自分の運命と婚姻の親密さの特権は、主にイスラエルの救いのために執り成すためであることを預言的に問われます(エステル記4:14、ローマ11:11-15)。

 

ユダヤの民のために命をかけて執り成せというこの呼びかけに、彼女はトラウマを負いながらも、預言者としての運命を受け入れることを決意します。彼女の美しさ、恵み、祈り、断食によって、災いは勝利に転じ、王国は聖徒たちに渡されるのです。 (キリストとの婚姻的親密さを知る多くの人々は、今日、終末のエステルと呼ばれています)。

 

このドラマの間、「この地の諸民族の中で大勢の者が、自分はユダヤ人であると宣言した。」(エステル記8:17)。これは2つのことを意味しています: 1)艱難時代に福音のために多くの魂が収穫されること、2)多くの聖徒がイスラエルの契約と信仰のルーツであるユダヤ人に再び結びつくこと。

 

V. イランの運命

 

エステル記はまた、イランに対する肯定的な預言的運命を指し示しています。ペルシャは紛争と反ユダヤ主義の源でしたが、勝利をもたらす信仰の源でもありました。終末の時代には、イランに強力な地下教会が存在し、彼らは数を増やし、信仰に立ち、イスラエルのレムナントと同一化すると私は信じています。

 

ペルシャの偉大な王たち--キュロスとクセルクセス--は、イスラム教より1,000年も前にイスラエルの民と契約を交わしています。ペルシャ人はアラブ人とは異なります。彼らのルーツは聖書の信仰であり、イスラム教ではありません。イスラエルとのパートナーシップは2500年以上前にさかのぼるのです。

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